集客の相談先に迷ったら。東京都よろず支援拠点で相談できること

広告を出すか、ホームページを直すか、それともリピーターへの案内を増やすか。売上を伸ばしたいと思っても、使える予算と時間が限られていると、最初の一手が決めにくいことがあります。
東京都よろず支援拠点は、中小企業・小規模事業者などの経営上の相談に応じる窓口です。これから創業する人も対象に含まれ、相談は無料です。集客の仕事を丸ごと依頼する場所ではありませんが、「どこに費用をかけるか決める前に、状況を整理したい」という段階の選択肢になります。
本稿では2026年11月6日時点の公式案内をもとに、相談できる範囲と、限られた相談時間を使いやすくする準備を紹介します。後半の資料のまとめ方は、制度の必須条件ではなく編集部の提案です。
制作を頼む前の「課題の整理」に使える
集客に関する困りごとは、同じ「問い合わせが少ない」という言葉でも中身が違います。サイトを見てもらえていないのか、見られていてもサービスの違いが伝わらないのか、問い合わせ後に条件が合わないのかで、検討する施策は変わります。
相談では、すでに考えている施策を説明するだけでなく、その施策を選ぼうとしている理由も伝えると話を進めやすくなります。「SNSを始めたい」に加えて、「近隣の新しいお客さまに知ってもらいたい」「週に使える時間は1時間」といった事情です。
相談で方向を整理することと、制作物を発注することは分けて考えられます。画面の操作や制作物の納品が必要な場合は、相談時に扱える範囲を確かめたうえで、自社で行う作業と、制作会社やサービス提供元へ依頼する作業を整理できます。
いまの困りごと | 相談で整理したいこと | 別に用意する作業 |
広告を始めるか迷う | 対象顧客、目的、無理のない予算 | 広告の制作・設定・日々の運用 |
サイトから問い合わせが少ない | 案内内容や導線の改善点 | ページの制作・改修 |
新しい販路を探したい | 狙う顧客や提案内容 | 営業活動や取引条件の交渉 |
この表は利用イメージです。個別の相談内容が対象となるかは、予約時に窓口へ伝えて確認できます。
利用は予約制。新橋・立川かオンラインを選ぶ
公式FAQでは、ネットまたは電話による事前予約が案内されています。対面相談は新橋事務所か立川事務所、オンラインではTeamsなどの会議ツールを利用します。原則として事業所への訪問相談は行っていません。
店舗を一人で切り盛りしている場合は、移動時間も含めて相談方法を選ぶと負担を抑えられます。オンラインなら、売上の数字やサイトを見ながら話せる場所と、周囲に会話が聞こえにくい環境を確保しておくと安心です。
予約時の説明は長くなくても構いません。「都内で店舗を運営している。平日の新規来店が減っており、広告と既存客向け案内のどちらから始めるか相談したい」といった形なら、事業と相談目的が伝わります。これは記入例であり、実在の相談事例ではありません。
資料は、いま持っているものから揃える
集客相談のために立派なプレゼン資料を作る必要がある、と考えると予約が後回しになりがちです。まずは事業の内容、主な商品や価格、相談したいことを短くまとめる方法があります。
手元に数字があれば、直近数か月の売上、新規と再来のお客さまの数、問い合わせ件数、広告費などを同じ期間で並べます。数字を取得していなければ、把握できていることと、まだわからないことを分けて書けば、次に何を記録するかも相談できます。
公式案内では、相談内容によって決算書類などの事前提出を求める場合があるとされています。すべての相談で一律に不要、あるいは必須と決めず、予約時の案内に合わせて準備します。顧客名簿を丸ごと持ち込むのではなく、件数や傾向にまとめるなど、相談に必要な情報を選ぶこともできます。
予算だけでなく、続けられる時間も伝える
資料の中では、「確認できた数字」と「担当者の感覚」を分けると相談しやすくなります。たとえば問い合わせが減ったと感じているなら、フォームの受付履歴や電話メモから、比較できる期間だけ件数を拾う方法があります。忙しくて記録できなかった月は、ゼロと記入せず未確認として残します。
また、広告費だけを並べるより、その月に営業時間を変えたか、新商品を出したか、休業があったかも添えると、数字が動いた背景を伝えられます。因果関係を決めつけるためではなく、相談相手と同じ状況を見て話すためのメモです。
同じ広告費でも、社内で写真を撮れる人がいる場合と、撮影から外注する場合では使い方が違います。施策の候補を比べるときは、金額に加えて、担当者、週に使える時間、対応できる問い合わせ件数を伝えておくと現実に合った話になりやすくなります。
たとえば「月3万円、担当は店長だけ、営業時間中の電話は取りにくい」という仮定の条件なら、集客数だけでなく、予約ページで必要な情報を伝えられるかも検討材料になります。広告を増やす以外に、受付方法や案内内容を整える選択肢が見えてくるためです。
相談の最後には、取り組むことを一つか二つに絞り、「いつまでに」「何を見て振り返るか」をメモしておくと、日常業務に戻ってから動きやすくなります。
たとえば料金ページを直す案が出たら、掲載する料金、含まれる作業、追加費用が発生する条件を社内で確認し、誰が原稿と公開作業を担当するかを決めます。相談内容をそのまま長い議事録にするより、実行する仕事へ分けて残す方が引き継ぎやすくなります。外注が必要なら、その作業範囲を使って見積もりを依頼できます。
無料相談と、取引先の紹介は分けて考える
公式FAQでは、取引先や相談企業、特定の士業・専門家の紹介は行わないとしています。また、相談対応者と有償で直接契約することも断っています。相談できるから、そのまま顧問契約や制作契約を結べる仕組みではありません。
外注先が必要になった場合は、相談で整理した「目的」「作業範囲」「予算」「更新を担当する人」を依頼内容に落とし込めます。見積もりを比べるときも、ページ数や投稿本数だけでなく、何を改善する仕事なのかが揃いやすくなります。
よろず支援拠点は全国に設置されています。東京都以外で事業をしている場合は、自社所在地の拠点を起点にすると、地域の事情を踏まえた相談につなげやすくなります。
一度の相談で、全部を決めなくてもよい
公式には何度でも無料で相談できると案内されています。最初から集客方法を一つに決めるより、「今月試すことを決める」「実施後の数字を持って再相談する」という使い方も考えられます。
準備の最初の一歩は、困っていることを一文にすることです。そこに、現在の集客方法と使える時間・予算を添えれば、相談を始めるための土台になります。資料の完成を待ち続けるより、必要書類を予約時に確かめながら進められます。
免責:制度の一般的な紹介です。対象範囲、相談方法、必要資料は最新の公式案内と予約時の説明をご確認ください。個別の施策による成果を保証するものではありません。




