ゲスト:糊智至税理士事務所 糊智至先生
インタビュアー:株式会社VentureForward(ベンチャーフォワード) 山本雄幸
山本:独立してすぐマーケティングを始められたんですか?
糊先生:
独立してすぐではなかったです。
独立して1年後くらいに始めました。
最初の1年間は仕事は控えめに、休みながら過ごしていました。(笑)
山本:マーケティングを始めた時期ときっかけを教えてください
糊先生:
マーケティングを始めたのは、独立して2年目でした。
1年目は当初想定していた通りにはお客さんが増えませんでした。
税理事務所以外に他に収入があったので、1年目は税理士事務所の営業活動をほとんどやっていなかったんです。
紹介で増えるかなと思っていたのですが増えませんでしたね。
2年目は税理士事務所の方で色々と経費もかかってくる予定だったので、新規顧客を増やさないといけないと思い、マーケティングについての情報を集め始めました。
まず、知人で集客をしている人が何名かいたので、みんなどうやってお客さんを獲得しているのか情報をシェアしてもらいました。
また、会計ソフトメーカーさんから情報を取り始めました。
その後、ある会計ソフトメーカーさんのセミナーテーマが集客ということで参加しました。
そのセミナーのゲスト講師がコンサルティング会社の方で、セミナー後、ゲスト講師の方の会社が主催している勉強会に1回参加して、その会社のサポートを受けることを決めました。
そして、マーケティングをスタートしました。
山本:マーケティングをやろうと思い、すぐに始められましたか?
糊先生:
最初、自分だけではすぐには動けなかったです。
セミナーに参加してそのまま依頼することになったのですが、そこで初めてスタートしました。
今では、自分から色々と進めていけるのですが、最初の一歩目は踏み出すのに勇気がいりました。
山本:先生がこれまで実践されてきたマーケティング方法について教えてください
糊先生:
まずは、創業者を支援するサイトを立ち上げました。
あわせて、WEB広告と新規設立した法人のリストにDMを送って、サイトの認知を広げました。
次に、税金に関する無料相談会を毎月企画し、新聞に折り込みチラシを入れ告知しました。
3年間、毎月開催し、毎月多くのご相談が入っていました。
相談に申込まれる方は、サラリーマン等の非事業者の方が多かったです。
そのあと、相続の相談会をやり始めました。
これは、知人と一緒に始めました。
私は関西の方で相談会を担当しました。
ハウスメーカーと銀行と提携し、ハウスメーカーにチラシを打って頂き、相談場所は銀行で行うという形でした。
この経験もあって、自社独自の相続サイトをこのあと立ち上げます。
そして、今度は地元の司法書士さん、弁護士さんと一緒に別の相続相談会を企画して、地元の新聞にチラシを折り込んで相談会を開催しました。
1回目は弁護士さんと組んで開催しました。
2回目の相続相談会は、司法書士さんとも組んで、税理士を含めたワンストップの体制を目指しました。
その他、取り組んだマーケティングといえば、紹介獲得に向けた活動をやっていました。
まず、銀行にあいさつ回りにいっていたし、保険の営業マンとの人脈を広げる活動もしていました。
セミナー講師の依頼を頼まれた場合、必ず受けるようにしていて、セミナー講師を受けることで人脈が広がりました。
あとは、去年から既存の事業主様向けに融資の相談を入り口に集客するためにホームページをつくり、広告もかけ始めました。
山本:最近のマーケティングの成果を教えてください
糊先生:
かれこれ4年以上、新規創業者の集客を行っていますが、毎年確実に新規が取れるのでずっと続けています。
これからはセミナーでの集客も取り組みたいと思っています。
創業者、既存企業のそれぞれに対して企画したいですね。
今すぐ客をホームページから集客するだけでなく、セミナーを入り口にすることで、そのうち客との接点をつくり、いずれお客さんになって欲しいと思っています。
セミナーに参加して下さる方の特徴として、勉強熱心な方が多いことが上げられます。
そのようなお客様ともっとお付き合いしたいと思っています。
ただ、セミナーは企画や、参加者のフォローに時間が取られるのでそこが悩みどころです。
セミナーをやってみたいテーマは、「創業」に関することや、あとは「融資」に関することもやってみたいですね。
ネタは色々ありますので、セミナーをうまく使って契約を獲得していきたいです。
うちの事務所が入っているビルがセミナーができる設備が充実していて、うまく活用していきたいですね。
山本:マーケティングで苦戦した時のお話を教えてください
糊先生:
電話がかかってきたあとのお客さんの見極めは苦戦しました。
全くの一見さんからのお客さんですと、なんでも受けてしまうとその後トラブルにつながる可能性もありますので、まずお電話の時点で詳細にヒアリングするようにしています。
また、担当できる件数の上限に達してきてまして、お問合せがあっても、積極的に契約を取る気になれず、取り逃しもあると思います。
あとは、私がいる泉佐野エリアの人口、会社の数、新規会社設立数が少ないことも、常に悩みの種です。
どうしても、市場のパイが小さくなってしまうので、ネットだけで集客しようとすると対象エリアを広げざるを得ないのが悩みですね。
税金相談会は苦戦しました。
相談はあるのですが、ご契約がなかなか進みませんでした。
あとは数年前に試した相続税申告の集客も苦労しました。
立地的に、相続税申告が必要な方が少ない印象です。
山本:マーケティングに対する想い、マーケティングを実践しての感想を教えてください。
糊先生:
マーケティングは事務所の成長のために必要なことだと思います。
顧問先の廃業等もあり、どうしても顧問数は減っていきます。
そのため、新規顧客を獲得していかないと、事務所を維持できないし、成長もできないですから。
よく融資を紹介する金融機関の担当の方から、「いつもどうやって集客しているんですか?」と聞かれたりもしました。
たぶん、近隣でうちがトップレベルで新規創業案件を紹介しているんだと思います。
あまり広告を打ったりと、営業活動に積極的な先生が周りには少ないようです。
私の知り合いの税理士さんに聞いてみても、既存のお客さんや知り合いからのご紹介だけで新規を増やしている先生が多いように思います。
当事務所としては、紹介での新規はもちろん、引き続き広告もしっかり使いながら集客を続けていきたいですね。
山本:なぜ、広告からの集客を大切にしているんですか?
糊先生:
紹介案件は色々なしがらみがありますが、広告からのお問合せは自己責任で対応できるからです。
ビジネスはお互いの相性も大切だと思うんです。
お互いを仕事の相手として選べる自由は、お互いの幸せにとって大事なことだと思っています。
山本:マーケティングにお金を投資する恐さはありませんでしたか?
糊先生:
始めは出ていくお金も多かったししんどかったです。
ただ、今は売上も安定してきたので、赤字にさえならなければ広告費を投資していきたいと思っています。
顧問契約という特性上、翌年に回収することができますので、回収までのスパンを長く見る必要があります。
なかなかマーケティングに投資できる人はいないと思うし、そこにチャンスがあると思っています。
山本:先生は投資回収のスパンを長く見積もられて、集客の体力があるように思います
糊先生:
確かにそうかもしれません。
ほとんどの方は、今月投資したら、来月投資した分以上に回収したいと思ってしまいます。
だから、成果が出るまでに見積もる時間もお金も過少になってしまい、成果が出ずに終わってしまうんだと思います。
私は、1年間かけて回収できる売上の目途を広告費の予算としてみています。
1年たってこの投資は成功か、それとも失敗かを判断しています。
今までたくさんテストして、たくさん辞めてきました。
辞める時はもう、バッサリ辞めます。
山本:どのようなきっかけでゼ・マーケを知りましたか?
糊先生:
山本さんとは、以前お勤めのコンサルティング会社の頃から面識がありました。
コンサルティング会社を辞められたあと、しばらくお会いしてませんでしたが、銀行融資プランナー協会さんが主催するセミナーで再会したと思います。
山本:ゼ・マーケと出会って何か変わったことはありましたか?
糊先生:
マーケティングや営業の部分で、だいぶお世話になりました。
出会ってなかったら、マーケティングや営業自体していなかったと思います。
今は十分なお客さんがいるので、無理に取ろうとせずに、お互いに相性の良いお客さんとお仕事ができています。
私はよく、営業ができるように思われるんですけど、実は全然経験したことがありませんでした。
今は営業に慣れてきましたが、押しの強い営業をするのは嫌なのでしてません。
面談では相手のお名前しか聞かないし、先方の質問にだけ答えてます。
しかも、相談中に全部説明してあげて、自分でもできますよと伝えてしまいます。
先方が興味を持てば最後に料金を説明します。
そのあとは、相談者の方からの連絡を待つのみで、こちらから後追いはしないです。
無理に営業をしないので、私の方も慣れない営業をするストレスを感じずに済んでます。
山本:マーケティングで、今後どのようなことを実現していきたいですか?
糊先生:
セミナーや相談会をやりたいと思ってます。
後は、紹介の案件をじっくり増やしていきたいですね。
ホームページからの集客は引き続き継続してやっていきます。
ここが、今うちの事務所では一番の柱ですから。
売上は早く今の倍は欲しいです。
ただ、それには体制づくりを頑張らないといけません。
新しいマーケティングにチャレンジするためにも、今は社内整備に力をいれたいと思っています。
事務所の体制が出来ていない状態で無理に顧客獲得すると、良いお客さんから離れていってしまいますので。
正社員を一人増やすごとに1,000万円ずつ売上が増えていくというのが理想ですね。
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