創業者を新規顧問先として獲得したい税理士の方がたくさんいらっしゃると思います。 しかし、多くの方が思うように集客できていません。
弊社にも多くのご相談を頂きますが、まず、商品設計を見直すことをお勧めしています。 本日は、創業者を獲得する為の商品設計についてお伝えさせて頂きます。
1.創業者向けサービス設計を徹底解説
1-1.どんな課題を抱える創業者をターゲットにするか考える
多くの税理士が「税理士の顧問サービスを探している創業者」をターゲットにマーケティングを行います。 もちろん、これも一つの方法ですが、あまりおすすめしません。 理由は2つあります。
①税理士の必要性を理解している創業者は意外と少ない ②税理士紹介会社などが広告を出稿しており、競合が激しい
創業者が抱える課題はほかにもたくさんあります。 その1つ1つに対してサービスを設計し、マーケティングしていくことで、より多くの創業者を集客することが可能です。
たとえば、創業者の方は
・資金の調達に悩みます ・会社の設立手続きに悩みます ・開業後の開業手続き(届け出)に悩みます ・開業後の経理立上げに悩みます ・初めての決算申告に悩みます
あなたは、上記のそれぞれにサービスを構築できているでしょうか? もし、できていなければ、今回の内容を元に、ぜひサービスを構築してみてください。
1-2.一番売りたいバックエンドサービス
バックエンドサービスとは、あなたの事務所で最も収益性が高く、あなたが獲得したいサービスです。 多くの税理士にとって、「税務顧問契約」がこれにあたるのではないでしょうか。 まずは、「税務顧問契約」の料金体系を明確にしましょう。
よく、周りの税理士が低い価格で税務顧問を打ち出しているからと、ご自身の税務顧問も下げる方がいらっしゃいますが、その必要はありません。
あなたが自信を持って提供できる価格を設定しましょう。
これからお伝えする方法に従ってマーケティングを行えば、税務顧問を低く設定する必要はありません。
1-3.バックエンドサービスに導くためのフロントエンドサービス
顧問契約につなげるための、フロントエンドサービスを構築しましょう。
フロントエンドサービスを作る際に大事なポイントは、創業者が抱く悩みに焦点を当て、設計することです。
創業者の悩みを知る際には、中小企業白書を参考にするとよいでしょう。
中小企業白書で、毎年、起業家の悩みとしてランクインする悩みは主に下記になります。
①資金の調達 ②開業の手続き ③経理・総務 ④売上アップ ⑤採用
この中で、①~③はほとんどの税理士の皆様がサポート可能な範囲です。 これらの悩みに焦点を当て、サービスを作っていきましょう。
のちほど、具体的なサービスを提案させて頂きます。
1-4.フロントエンドサービスに導くための無料オファー
フロントエンドサービスができたら、フロントエンドサービスに誘導する為の、無料オファーをつくりましょう。
無料オファーのポイントは、相手の悩みを解決するための情報発信です。 多くの場合、無料相談がこれにあたります。 無料相談は、創業者の悩みを聞いて、悩みを解決するための情報をその場で発信し、相手に伝えるというものです。 そのほか、具体的なマニュアルブックや、ポイントをまとめた資料なども無料オファーとなります。 あなたが用意できる、フロントエンドサービスにつながる無料オファーを作りましょう。
それでは、具体的なおすすめのフロントエンドサービスや無料オファーについてご紹介していきます。
2.①創業融資サポート
2-1.ターゲット
創業に際して、資金を調達する必要のある方がターゲットです。 具体的には、「融資が通るか不安」「資料の準備や銀行対応の仕方がわからない」「資金調達の手間を削減したい」という方が対象になります。
2-2.サポート内容
①資料の作成 ②銀行対応
がサポートの内容になります。
資料の作成について、全て税理士の方で受けてしまうことがおすすめです。 社長は銀行対応のルールを知りません。 社長に書いてもらったものを添削した場合、多くの場合、変更を余儀なくされてしまいます。 面談の中で必要な情報をヒアリングし、税理士の方で作成してしまいましょう。 創業融資サポートを掲げている税理士事務所を見ると、多くの場合、同席だけであったり、書類の添削だけであったり、相談に乗るだけであったりと、サポートの内容が不十分な場合が多くなっています。 全てを代行することで、申請までの期間を早め、確率を高め、創業者に提供できるメリットを最大限にしましょう。
2-3.費用
融資調達額の2%~3%がおすすめです。 総作業時間に対して、1万円を切らない金額に落ち着きます。 創業融資サポートの特徴として、決して安い方が好まれるというわけではありません。 失敗できないため、より融資の専門知識が高そうだという税理士に依頼されます。 周りの値段は気にせず、あなたがモチベーション高く取り組め、相手にも負担にならない価格を設定しましょう。
2-4.無料オファー
ターゲットの多くが抱く悩みは「自分は融資を受けられるのか?」ということです。 そのため「創業融資診断」がおすすめです。 他にも、「創業融資計画書フォーマット」や、「創業融資成功の秘訣」などといった資料を作成し、無料ダウンロードとすることも良いでしょう。
3.②会社設立サポート
3-1.ターゲット
会社設立の手続きを行いたい方がターゲットです。 具体的には、「会社設立手続きがわからない」「自分でやってみたが頓挫してしまった」「会社設立の手間を減らしたい」という方が対象になります。
3-2.サポート内容
顧問契約をして頂ける場合と、そうでない場合に分けてサポートを用意することがおすすめです。
①会社設立手続きのみ ②会社設立+顧問契約(開業手続きまでサポート)
上記のようにサポートを用意することで、顧問契約に導きやすくなります。
3-3.費用
①会社設立手続きのみ
実費:202,000円(電子定款利用時)
+
提携先の司法書士・行政書士への外注費用:30,000円
+
税理士事務所の開業相談費用(10,000円)
=242,000円
社長自身で、電子定款を利用しないで行った場合にかかる総費用が242,000円のため、社長ご自身で進める場合と同じ価格で会社設立手続きを専門家に依頼することが可能です。
提携先の司法書士・行政書士への外注費用は30,000円と設定させて頂いておりますが、提携先によって異なりますので、提携先にご確認下さい。
もし、会社設立を手頃な値段で対応してくれる司法書士・行政書士がお知り合いにいらっしゃらない場合は、弊社にご連絡頂ければ、全国対応のおすすめ司法書士・行政書士様をご紹介いたします。
その場合は、info@ventureforward.jp宛に、件名を「司法書士・行政書士紹介の件」として、お問い合わせ下さい。
②会社設立+開業手続きサポート+顧問契約
実費:202,000円(電子定款利用時)
+
提携先の司法書士・行政書士への外注費用:0円(税理士事務所で30,000円負担)
+
税理士事務所の開業相談費用(0円)
=202,000円
社長には、実費の202,000円しか請求しないという内容です。
司法書士・行政書士への外注費用は税理士事務所で負担し、税理士事務所の開業相談費用も0円とします。
①のサポートより40,000円ほどの割引になりますので、そのういた40,000円で、顧問契約を数ヶ月お試しいただきませんか?と営業すれば、多くの場合顧問契約につながります。
ただし、数ヶ月後に解約のリスクもありますが、実際に解約を申し出るお客様は10%未満です。 ※事務所様毎の営業のやり方に左右される部分もあるため、一概には言えません。
もし、会社設立を手頃な値段で対応してくれる司法書士・行政書士がお知り合いにいらっしゃらない場合は、弊社にご連絡頂ければ、全国対応のおすすめ司法書士・行政書士様をご紹介いたします。
その場合は、info@ventureforward.jp宛に、件名を「司法書士・行政書士紹介の件」として、お問い合わせ下さい。
3-4.無料オファー
ターゲットの多くが抱く悩みは「会社設立手続きの流れや進め方を知りたい」ということです。 そのため「会社設立無料相談」がおすすめです。 他にも、「定款作成のポイント」や、「失敗しない会社設立のポイント」などといった資料を作成し、無料ダウンロードとすることも良いでしょう。
4.③開業手続きサポート
4-1.ターゲット
開業後に必要な手続きについて困っている方がターゲットです。 具体的には、「どのような手続きが必要なのかわからない」「どのような書類を準備すれば良いかわからない」「開業手続きを行うのが面倒」という方が対象になります。
4-2.サポート内容
下記資料の作成(お客様によって必要な書類が異なります)
・法人設立届出書 又は 開業届出書(個人) ・給与開設事務所等の開設届出書 ・所得税の納期の特例の承認に関する申請マニュアル ・青色申告書の承認申請書
4-3.費用
10,000円~30,000円
4-4.無料オファー
ターゲットの多くが抱く悩みは「どのような開業手続きが必要か知りたい。進め方を知りたい」ということです。 そのため「開業手続き無料相談」がおすすめです。 他にも、「開業手続き一覧」といった資料を作成し、無料ダウンロードとすることも良いでしょう。
5.④記帳代行サポート
5-1.ターゲット
経理のやり方がわからない方や、経理の入力作業などを外注したい方がターゲットです。 具体的には、「どのように経理を始めればよいかわからない」「仕訳などがわからず、自身で進めていくことに不安がある」「時間があれば自分で進められるのだが、時間が無い」という方が対象になります。
5-2.サポート内容
2つのプランに分けることがおすすめです。
①自計化サポート 社長がご自身で会計ソフトの入力を行い、会計事務所が定期的にチェック・修正するサポートです。 社長に、会計ソフトへのインポート用のエクセルに入力していただき、税理士が最初はチェックしてから、インポートすると良いでしょう。 最初は何も知らなかった社長も、仕訳の考え方が理解できるようになっていきます。 社長が仕訳ができるようになったら、インポートまで社長に進めてもらい、会計ソフト上でおかしなところが無いか進めていくと効率的です。 1つの例としてご参考ください。
②丸投げサポート 社長から領収書などの証憑を税理士に送っていただき、税理士が記帳を代行するプランです。 証憑を送ってもらう際には、税理士側が記帳しやすいよう、分類分けして送ってもらうことがおすすめです。 中身が区分けされているファイルを用意し、それぞれに入れて欲しい証憑分類としてインデックスをつけたものを、お互い資料をやり取りする際に使用すると効率的です。
5-3.費用
①自計化サポート 1仕訳50円
②丸投げサポート 1仕訳100円
記帳を専門に行う民間会社などと比べると高いように思うかもしれませんが、民間会社は入力がメインであり、仕訳の能力は会計事務所の方が高いため、品質といった面では十分上記の金額を請求しても良いと思っております。
5-4.無料オファー
ターゲットの多くが抱く悩みは「経理の進め方、やり方を知りたい」「代行して欲しい」ということです。 そのため前者の方には「経理無料相談」や「経理立上げガイドブック」などの資料を作成し無料ダウンロードとする、また、後者の方には「無料お見積り」がおすすめです。
6.⑤決算申告サポート
6-1.ターゲット
始めて決算を迎えどのように進めたらよいかわからない方や、決算申告の依頼先を探している方、また、決算を迎えるにあたって節税対策を行い方がターゲットです。 具体的には、「決算が来たが、何もしていない。どうしていいかわからない」「決算を手頃な価格で対応してくれる税理士を探したい」「利益が出てしまい、決算にあたり節税対策も相談したい」という方が対象になります。
6-2.サポート内容
価格を重視してくる社長が多いため、そういった方に向けて複数のプランを用意することがおすすめです。
下記の2つの視点でサポートを複数用意することがおすすめです。
「記帳作業を税理士が行う必要があるかないか」 「翌年の顧問契約を行って頂けるか行って頂けないか」
具体的には、下記のようなサポートがおすすめです。
①決算申告のみ(翌年の顧問契約なし)
②決算申告のみ(翌年の顧問契約あり)
③決算申告+記帳代行(翌年の顧問契約なし)
④決算申告+記帳代行(翌年の顧問契約あり)
6-3.費用
お客様の売上によって料金を変動させていくことがおすすめです。 ここでは、売上1,000万円未満の場合として、ご紹介させて頂きます。
①決算申告のみ(翌年の顧問契約なし) 150,000円(売上1,000万円未満の場合)
②決算申告のみ(翌年の顧問契約あり) 75,000円(売上1,000万円未満の場合)
③決算申告+記帳代行(翌年の顧問契約なし) 150,000円(売上1,000万円未満の場合) + 仕分け数×100円
④決算申告+記帳代行(翌年の顧問契約あり) 750,000円(売上1,000万円未満の場合) + 仕分け数×100円
6-4.無料オファー
ターゲットの多くが抱く悩みは「決算申告を依頼できる税理士を探したい」ということです。 そのため、「決算申告無料相談」や「無料お見積り」がおすすめです。 また、決算に際して、「節税」という切り口でも悩みが抱く社長がいますので、あわせて「節税診断」も付加した無料オファーを構築できると、より魅力的な無料オファーとなります。
7.まとめ
創業者集客に欠かせない、商品設計についてご紹介させて頂きました。 ちょくせつ顧問契約を売ろうとするのではなく、創業者が抱く悩みに焦点をあてた、フロントエンド商品を構築し、フロントエンド商品から売っていくことが大切です。 また、フロントエンド商品も、まだ信頼関係が築けていないあなたからそう簡単に買って頂けるものではありません。 そのため、フロントエンド商品を売るための「無料オファー」を用意し、まずは「無料オファー」にどれだけ集客できるかに力を注ぎましょう。
ぜひ、本記事を参考に、集客に取り組んでみてください。
記載の情報に関して、信頼性の向上に最善を尽くしておりますが、その正確性を保証するものではありません。ご了承ください。
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