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WixとWordPressはどちらが速い?約123万ECサイトの公開データで比較

11 分前
読了時間: 8分
WixとWordPressの速度を公開データで比較 モバイル合格率74%対45%

ホームページ制作を検討している方から、「WixとWordPressは、結局どちらが速いのですか」と聞かれることがあります。表示速度は問い合わせや購入前の体験に関わるため、サービス選びで気になるのは当然です。

ただ、1つのサイトを測っただけでは公平な比較になりません。画像の量、ページの長さ、サーバー、テーマ、追加機能によって結果が変わるからです。そこで今回は、2026年9月14日時点で公開されているWeb Almanac 2025の大規模データを使い、WixとWordPressを比較しました。

全体のモバイル比較に加え、業種条件を近づけるため、ECサイトに限定したWix eCommerceとWooCommerceの数字も確認しています。EC分野のモバイル対象は合計約123万サイトです。先に要点を言うと、公開データではWixの方が速いサイトの割合は高いものの、WordPressでも制作と運用次第で十分に改善できます。


数字だけを見ると、Wixが優勢

まず、CMS全体のモバイルデータを比べます。Web Almanac 2025では、実際のChrome利用者の体験を集計したChrome UX Report(CrUX)を使い、LCP・INP・CLSの3指標を確認しています。

CMS

対象サイト数

LCP良好

INP良好

CLS良好

3指標すべて良好

Wix

374,543

81%

88%

95%

74%

WordPress

4,840,897

53%

87%

84%

45%

差(Wix-WordPress)

+28pt

+1pt

+11pt

+29pt

3指標すべてが良好だった割合は、Wixが74%、WordPressが45%で、29ポイントの差がありました。クリックやタップへの反応を見るINPはほぼ同じですが、主な内容が表示される速さを示すLCPと、読み込み中のずれを示すCLSでWixが上回っています。

この数字は、Wixを選べば必ず速くなる、WordPressなら遅くなる、という意味ではありません。まずは大規模な公開サイト全体で、どのような傾向が出ているかを見るための数字です。


同じECサイトに絞っても差は残った

全体比較では、WixとWordPressに含まれるサイトの業種や規模が違います。そこで条件を少し近づけるため、商品販売機能を使うECサイトだけを比べました。Wix eCommerceと、WordPress上で動くWooCommerceのモバイル結果です。

ECプラットフォーム

対象サイト数

LCP良好

INP良好

CLS良好

3指標すべて良好

Wix eCommerce

234,055

76%

85%

95%

66%

WooCommerce

995,782

39%

88%

85%

35%

差(Wix-WooCommerce)

+37pt

-3pt

+10pt

+31pt

3指標すべてが良好だった割合は、Wix eCommerceが66%、WooCommerceが35%でした。ECサイトは商品画像、決済、在庫、計測タグ、レビューなどの機能が増えやすく、一般的な案内サイトより重くなりやすい分野です。その中でもWix eCommerceは、LCPとCLSで高い良好率を保っています。

一方、INPはWooCommerceが3ポイント上です。つまり、すべての指標でWixが勝っているわけではありません。どの体験を重視するかまで見て、数字を読む必要があります。


PCより、スマートフォンで差が見えやすい

ECサイトのデスクトップ結果も確認すると、Wix eCommerceの総合良好率は70%、WooCommerceは33%でした。

端末・プラットフォーム

対象サイト数

LCP良好

INP良好

CLS良好

3指標すべて良好

PC・Wix eCommerce

55,706

77%

99%

91%

70%

PC・WooCommerce

394,462

45%

99%

68%

33%

モバイル・Wix eCommerce

234,055

76%

85%

95%

66%

モバイル・WooCommerce

995,782

39%

88%

85%

35%

PCでは回線や端末性能に余裕があるため、事務所のパソコンで問題なく見えても、スマートフォンでは重さが目立つことがあります。特に広告、SNS、Googleマップから来る見込み客はスマートフォンを使う場面が多く、制作時の確認はモバイルを先に見る方が実務的です。

トップページだけでなく、商品・サービスの詳細ページ、料金ページ、問い合わせや購入の直前ページも測りましょう。入口が速くても、最後のページが重ければ離脱につながります。


一回のテストでも、Wixの中央値が高い

Web Almanacは、実利用データとは別にLighthouseによる統一条件のテストも行っています。ECサイトのPerformanceスコア中央値は次のとおりでした。

プラットフォーム

PC中央値

モバイル中央値

モバイルとの差

Wix eCommerce

88

64

-24

WooCommerce

61

38

-23

Wix eCommerceはPC88、モバイル64で、WooCommerceのPC61、モバイル38を上回りました。ただし、Lighthouseは測定時点のテスト結果であり、実際の利用者が体験したCrUXとは役割が違います。

自社サイトを確認するときは、PageSpeed Insightsでフィールドデータとラボデータの両方を見ます。公開直後やアクセスが少ないサイトはフィールドデータが表示されないことがあるため、その場合はラボ結果と実機確認を組み合わせてください。


なぜWixの方が速いサイトが多いのか

公開データから考えられる大きな違いは、サービス側が管理できる範囲です。Wixはホスティング、配信基盤、画像処理、編集機能をまとめて提供します。全体へ共通の改善を反映しやすく、利用者がサーバー設定を細かく調整しなくても一定の性能を保ちやすい仕組みです。

WordPressは、サーバー、テーマ、プラグイン、画像最適化、キャッシュなどを自由に組み合わせられます。自由度が高い反面、選び方や更新状況による差も大きくなります。Web Almanacも、WordPressの性能差は本体だけでなく設定や使用ツールの影響が大きいと説明しています。

中小企業のホームページでは、作った後に誰が管理するかが重要です。専門担当者がいない場合、自由度が高いことがそのままメリットになるとは限りません。不要な機能を増やさず、安定して更新できる仕組みの方が、長期的には速さを保ちやすい場合があります。


WordPressが遅いと決まったわけではない

WordPressの良好率が低い背景には、世界中の多様なサイトが含まれていることがあります。古いテーマを長期間使うサイト、安価な共有サーバー、大量のプラグインを追加したサイトも同じWordPressとして集計されます。

反対に、性能のよいサーバーを選び、軽量テーマを使い、画像を圧縮し、不要なプラグインや外部タグを減らせば、高速なWordPressサイトを作れます。細かな技術調整を行える制作会社や社内担当者がいる場合は、自由度を生かせます。

今回の結果は、WordPressで速いサイトを作れないという証明ではなく、初期設定や運用を含む現実のサイト群では、性能のばらつきが大きいことを示すものです。


WixとWordPress、どちらが自社に合うか

速度だけで決めるのではなく、公開後の更新体制と必要な機能を合わせて考えます。

判断材料

Wixが合いやすい

WordPressが合いやすい

更新担当

専門知識のない社内担当者

Web担当者・制作会社が継続管理

保守

サーバーや基盤をまとめて任せたい

環境を自社で選び管理したい

カスタマイズ

標準機能中心で早く運用したい

独自仕様を細かく実装したい

速度管理

仕組み側の最適化を活用したい

個別に調整し最高性能を狙いたい

予算の考え方

月額と制作費を把握しやすくしたい

保守・改修費を含め個別設計したい

更新を自社で行い、問い合わせ獲得に必要な機能を無理なく運用したいなら、Wixは有力な選択肢です。一方、独自の会員機能、大規模なコンテンツ運用、複雑な外部システム連携などが必要なら、WordPressの自由度が生きることがあります。

どちらを選ぶ場合も、不要な動画やアニメーションを増やさず、画像の容量を抑え、追加機能を定期的に整理することが大切です。CMS名よりも、公開後に改善を続けられる体制が最終的な速度を左右します。


制作会社へ確認したい5つのこと

見積もりを比べるときは、「速いサイトにしてください」だけで終わらせず、次の点を確認すると判断しやすくなります。

・公開前にモバイルのPageSpeed Insightsを確認するか

・トップページ以外の主要ページも測るか

・大きな画像や動画をどのように軽量化するか

・公開後に追加アプリやプラグインを見直す仕組みがあるか

・実利用データがたまった後、Core Web Vitalsを再確認するか

点数だけでなく、店名やサービス内容がすぐ見えるか、ボタンが押しやすいか、入力フォームまで迷わず進めるかも確認します。数値と見込み客の使いやすさを一緒に見ることが、問い合わせにつながるサイトづくりには欠かせません。


比較データを読むときの注意点

今回のWeb Almanac 2025は、2025年7月のHTTP Archive調査とCrUXの実利用データを中心にした世界規模の集計です。日本国内だけのWix・WordPress速度比較に使える公的統計は確認できませんでした。日本の中小企業サイトにそのまま当てはまるとは限りません。

また、CrUXには一定の閲覧データがあるサイトだけが含まれます。CMSやEC機能の判定にはWappalyzerが使われ、判定できないサイトや誤判定が含まれる可能性があります。WixとWordPress、Wix eCommerceとWooCommerceでは対象件数も異なります。

ECサイトという業種条件は合わせていますが、売上規模、商品数、画像数、導入機能まで一対一でそろえた比較ではありません。公開データはサービス選びの方向性を考える材料に使い、最終判断では自社に近い制作事例と、実際のページ測定を確認してください。


まとめ

Web Almanac 2025のモバイルデータでは、Core Web Vitalsの3指標すべてが良好だった割合はWixが74%、WordPressが45%でした。同じEC分野に絞っても、Wix eCommerceは66%、WooCommerceは35%で、公開データではWixが上回っています。

ただし、WordPressは構成の自由度が高く、適切なサーバーやテーマ、保守体制があれば改善できます。Wixは専門知識が少ない状態でも性能を保ちやすく、WordPressは管理できる人がいるほど自由度を生かしやすい、と考えると選びやすくなります。

Wixの実利用データをもう少し詳しく確認したい方は、37万サイトのCore Web Vitalsを検証した記事もあわせてご覧ください。


※本記事は、2025年版Web Almanac、Chrome UX Report、Googleおよび各サービスの公開情報をもとに作成しています。数値は対象期間・対象サイト・測定方法により変わります。日本国内限定、同一企業規模、同一ページ構成の比較ではなく、特定サイトの性能や検索順位、売上を保証するものではありません。実際の選定・改善では、自社サイトの計測結果と運用体制をご確認ください。


主な出典

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