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「税理士は独立すると食えない」は本当?後悔する人の共通点と失敗しないための戦略


税理士として独立を考えたとき、


「税理士は独立すると食えない」

「今はもう厳しい時代なのではないか」


といった言葉を目にして、不安を感じたことはないでしょうか。


難関資格を取得したにもかかわらず、独立後に収入が安定しない、思ったほど稼げないという話を聞くと、独立に踏み切るのをためらってしまうのも無理はありません。

一方で、同じ税理士でも、独立後に安定した年収を確保し、長く活躍している人がいるのも事実です。


では、その違いはどこにあるのでしょうか。

税理士という資格自体が「食えない」ものになったのか、それとも独立の仕方や戦略に問題があるのでしょうか。


この記事では、

「税理士は独立すると食えない」と言われる理由を整理したうえで、

独立後に苦労しやすいパターン、収入の現実、そして比較されずに選ばれるための考え方までを、段階的に解説します。


独立を考えている方はもちろん、

「将来独立すべきか迷っている」

「今のままで本当に大丈夫なのか不安」

という税理士の方にとっても、判断材料となる内容です。


「食えないかどうか」は、資格ではなく戦略次第です。

その理由を、これから一つずつ見ていきましょう。





税理士の独立は「食えない」と言われるのはなぜか



「税理士は独立すると食えない」という言葉を目にして、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。


実際、税理士は国家資格の中でも難関資格であり、独立すれば安定した収入が得られそうなイメージを持たれがちです。


それにもかかわらず、なぜこのような言われ方をするのでしょうか。


その背景には、資格そのものの問題ではなく、業界構造や独立後の働き方の変化があります。ここでは、「食えない」と言われるようになった主な理由を整理していきます。


税理士登録数の増加と競争環境の変化

税理士業界では、ここ数年で税理士の登録数が増加しています。

背景には、大学院ルートの定着や試験制度の変化などがあり、以前よりも税理士資格を取得しやすくなった側面があります。


その結果、税理士一人あたりが担当できる顧問先の取り合いが起こりやすくなり、特に都市部では競争が激しくなっています。

「資格を取れば自然と顧問先が増える」という時代ではなくなり、独立後は自ら仕事を取りにいかなければならない状況が一般的になっています。


競争が激しくなったことで、戦略や強みを持たずに独立すると、思うように顧問先が増えず、「食えない」と感じてしまうケースが生まれやすくなっているのです。


価格比較されやすくなった業界構造

インターネットの普及により、税理士を探す方法も大きく変わりました。

以前は「紹介」が中心だった税理士選びも、現在では検索サイトや比較サイトを使って探されることが一般的です。


その結果、税理士は サービス内容よりも「料金」で比較されやすい業界 になっています。

「顧問料〇円〜」といった表現が並ぶ中で、特徴や強みが伝わらなければ、価格だけで判断されてしまいます。


このような環境では、安さを前面に出した競争に巻き込まれやすく、

・顧問料を下げないと契約が取れない

・忙しいのに利益が残らない

といった状況に陥りがちです。


この 価格競争に消耗してしまう構造 が、「税理士は独立すると食えない」と言われる大きな理由の一つです。


勤務時代とのギャップで苦しむケース

独立後に苦労する税理士の中には、勤務時代とのギャップに悩まされる方も少なくありません。


勤務税理士であれば、

・集客は事務所が行ってくれる

・営業をしなくても仕事が回ってくる

・毎月の給与は安定して支払われる

という環境が当たり前です。


しかし、独立すると状況は一変します。

税務の専門知識だけでなく、

・集客

・営業

・サービス設計

・価格設定

などもすべて自分で考える必要があります。


この変化を十分に想定しないまま独立してしまうと、「こんなはずではなかった」「資格があるのに収入が安定しない」と感じやすくなります。

この 意識と役割の切り替えができないこと も、「食えない」と言われる要因の一つです。





独立して食えなくなる税理士に共通する特徴


税理士の独立が「食えない」と言われる背景には、業界構造の変化だけでなく、独立の仕方そのものに共通する失敗パターンが存在します。


逆に言えば、これらの特徴を事前に理解し、避けることができれば、独立後に大きくつまずく可能性は下げられます。


ここでは、実際によく見られる「食えなくなる税理士」に共通する特徴を整理します。


なんとなく独立してしまったケース

独立に失敗しやすい税理士の典型例が、明確な理由や戦略を持たずに独立してしまうケースです。


例えば、

・周囲が独立しているから

・勤務先が合わなかったから

・そろそろ独立した方が良さそうだから

といった理由だけで独立を決断してしまうと、独立後に「何を強みにするのか」「誰に選ばれたいのか」が定まらない状態になりがちです。


結果として、

・どんな顧客にも対応しようとする

・自分の特徴をうまく説明できない

・他の税理士と違いが出せない

という状況に陥り、価格や知名度で不利な競争に巻き込まれてしまいます。


独立そのものが目的になってしまうと、独立後にどうやって収益を安定させるかという視点が抜け落ちやすく、それが「食えない」結果につながります。


顧問料の安売り競争に巻き込まれるケース

独立後、最初につまずきやすいポイントが 顧問料の設定 です。

顧問先を早く増やしたいという焦りから、相場よりも低い顧問料を設定してしまう税理士は少なくありません。


一度安い価格で契約してしまうと、

・後から値上げしにくい

・業務量の割に利益が残らない

・忙しいのに手元にお金が残らない

といった状態になりやすくなります。


さらに、安さを理由に選ばれた顧問先は、他の税理士とも簡単に比較・乗り換えをする傾向があります。結果として、常に新規顧客を追い続けなければならず、精神的にも体力的にも消耗してしまいます。


このように、顧問料の安売りを入口にしてしまうと、「仕事は多いのに生活が楽にならない」という状況になりやすく、「独立しても食えない」と感じる原因になります。


集客・営業を軽視しているケース

税理士は専門職であるがゆえに、

「良い仕事をしていれば、そのうち顧客は増える」

と考えてしまいがちです。


しかし、独立後は 税務の専門性だけでは仕事は増えません

集客や営業を意識せず、紹介だけに頼っていると、顧問先の増加スピードはどうしても不安定になります。


特に独立初期は、

・誰に

・何を

・どんな価値として

提供するのかを、外部に分かりやすく伝える必要があります。


これを怠ると、

・問い合わせが来ない

・来ても価格の話ばかりになる

・契約に結びつかない

といった状態になりやすくなります。


集客や営業を「自分には向いていない」「やらなくても何とかなる」と軽視してしまうことが、独立後に収入が伸びない大きな要因になっているケースは非常に多いです。



税理士として独立後の年収・収入の現実


税理士として独立を考える際、多くの方が気になるのが「実際の年収や収入はどうなるのか」という点ではないでしょうか。


独立すれば収入が大きく伸びるイメージを持たれがちですが、現実はもう少し複雑です。


ここでは、独立後の収入がどのように推移しやすいのか、また、収入面で差が生まれる理由について整理していきます。


独立直後に収入が不安定になりやすい理由

税理士が独立した直後に収入が不安定になりやすい最大の理由は、収益が積み上がるまでに時間がかかるビジネスモデルであることです。


勤務時代は毎月決まった給与が支払われますが、独立後は、

・顧問先が増えないと収入が増えない

・顧問契約が安定するまで時間がかかる という状態からスタートします。


特に顧問契約は、

「すぐに大量に増えるもの」ではなく、

一件ずつ積み上げていく性質があります。

そのため、独立直後は売上が月ごとに変動しやすく、精神的な不安を感じやすい時期になります。


また、開業初期は売上が少ない一方で、

・事務所費用

・システム利用料

・外注費(必要に応じて)

などの固定費が発生するため、手元に残るお金が想像以上に少ないと感じるケースも少なくありません。


収入が伸びる税理士と伸びない税理士の差

同じタイミングで独立しても、数年後には収入に大きな差がつくことがあります。

その差を生む要因は、能力や資格の違いというよりも、収入の作り方に対する考え方の違いです。


収入が伸びやすい税理士は、

・顧問契約だけに依存しない

・単価を意識したサービス設計をしている

・顧客との関係性を長期で考えている

といった特徴があります。


一方で、収入が伸びにくい税理士は、

・顧問料を下げて件数でカバーしようとする

・忙しさと収入が比例しない状態に陥る

・新しい提案やサービスを出せずにいる

といった傾向が見られます。


この差は、独立後すぐに表面化するわけではありませんが、数年単位で見ると年収に大きな開きとなって現れてきます。


年収が安定するまでの一般的な時間軸

税理士として独立した場合、年収が安定するまでには、一定の時間がかかるのが一般的です。

独立初年度から勤務時代と同等、もしくはそれ以上の収入を得られるケースは、決して多くありません。


多くの場合、

・独立初年度は基盤づくりの期間

・2〜3年目で顧問先が徐々に積み上がる

・その後、安定した収入が見えてくる

といった流れをたどります。


この時間軸を知らずに独立してしまうと、

「思ったより稼げない」

「こんなに時間がかかるとは思わなかった」

と感じてしまい、精神的に追い込まれることがあります。


独立後の年収は、短期的に判断するものではなく、中長期でどう積み上げていくかという視点で考えることが重要です。




最大の敵は「比較検討」|独立税理士が消耗する原因


独立後に思うように成果が出ない税理士の多くが、気づかないうちに消耗している原因があります。


それが 「比較検討され続ける状態」 です。


比較検討そのものは、顧客がサービスを選ぶうえで自然な行動です。

しかし、独立税理士にとっては、この比較検討が常態化すると、収益面・精神面の両方で大きな負担になります。


ここでは、比較されることで何が起きるのか、そして比較され続けてしまう事務所の特徴を整理します。


比較されると何が起きるのか

税理士が比較検討の土俵に乗ってしまうと、顧客は

「どの税理士が一番安いか」

「どこも同じなら価格で決めよう」

という視点で判断するようになります。


この状態になると、

・顧問料の値引きを求められる

・他事務所の見積もりと比較される

・決断を先延ばしにされやすくなる

といったことが頻繁に起こります。


結果として、契約率が下がるだけでなく、

「価格交渉に時間を取られる」

「成約しても利益が薄い」

という状況になりやすくなります。


さらに問題なのは、比較検討で選ばれた顧問先ほど、他事務所への乗り換えにも抵抗が少ないという点です。

そのため、せっかく獲得した顧問先が長続きせず、常に新規獲得に追われる悪循環に陥ってしまいます。


比較され続ける事務所の共通点

比較検討され続ける事務所には、いくつかの共通点があります。

それは、能力や誠実さの問題ではなく、外から見たときの伝わり方に原因があるケースがほとんどです。


例えば、

・「何でも対応できます」という打ち出し方をしている

・サービス内容や強みが抽象的で分かりにくい

・顧問料の安さを前面に出している

といった状態では、他の税理士との差が伝わりません。


結果として、

「どこに頼んでも同じに見える」

→「それなら価格で比較しよう」

という流れを自ら作ってしまいます。


また、問い合わせの段階で価値が十分に伝わっていないと、面談の場が説得や説明の場になりやすく、成約率も下がります。

このように、比較され続ける事務所は、知らず知らずのうちに自分から消耗するポジションに立ってしまっているのです。



比較されない税理士になるための戦略

前章で触れた通り、独立税理士が消耗する最大の原因は「比較検討され続ける状態」にあります。

裏を返せば、比較されないポジションを作ることができれば、価格競争から距離を置き、安定した収益を確保しやすくなるということです。


ここでは、比較されにくい税理士になるために、実践しやすく効果の高い戦略を整理します。


特定セグメント(テーマ・業種)に特化する

比較されないための最も分かりやすい方法が、特定のセグメントに特化することです。テーマや業種を絞ることで、「誰にでも対応できる税理士」ではなく、「この分野ならこの人」という認識を持ってもらいやすくなります。


特化することで、

・専門性が伝わりやすくなる

・他の税理士との違いが明確になる

・問い合わせ段階で信頼を得やすくなる

といったメリットがあります。


なお、特化することは「その分野以外の仕事を断る」という意味ではありません。あくまで 外向きの打ち出し方を明確にする ことであり、結果として集客や紹介がしやすくなる点が重要です。


情報提供によって信頼関係を先に作る

比較検討されにくい税理士に共通しているのが、契約前から信頼関係ができているという点です。

そのために有効なのが、継続的な情報提供です。


事前に役立つ情報を受け取っていると、

「この人は詳しそうだ」

「この人に任せれば安心できそうだ」

という印象が積み上がります。


こうした状態で問い合わせや面談に進むと、

・価格よりも相性や考え方で判断されやすくなる

・他の税理士と同列に比較されにくくなる

という効果が生まれます。


情報提供は、単なる集客手段ではなく、比較検討を回避するための重要な準備段階だと言えます。


顧問契約を「最初に売らない」という考え方

比較されやすくなる大きな原因の一つが、最初から顧問契約を売ろうとすることです。

顧問契約は月額制であるため、顧客にとっては心理的ハードルが高く、どうしても価格比較が起きやすくなります。


そこで重要なのが、

「いきなり顧問契約を売らない」

という考え方です。


まずは、顧客が今まさに困っている具体的な悩みに対して、スポットで解決策を提供します。

その過程で価値を実感してもらえれば、顧問契約の提案は自然な流れになります。


この順番を意識することで、

・価格交渉になりにくい

・信頼を前提とした契約になりやすい

・長期的な関係を築きやすい

という状態を作ることができます。



スポットサービスから顧問契約につなげる考え方


独立税理士が安定した収入を作るうえで重要なのが、顧問契約に至るまでの入口設計です。

多くの税理士が「顧問契約をどう増やすか」ばかりを考えがちですが、実際にはその一歩手前の段階でつまずいているケースが少なくありません。


ここでは、スポットサービスを起点に顧問契約へつなげる考え方を、独立初期の文脈に沿って整理します。


なぜ顧問契約は最初に売りづらいのか

顧問契約が最初に売りづらい理由は、顧客にとって判断材料が少ない状態で、長期契約を求める形になるからです。月額で継続的に支払う契約である以上、顧客は慎重にならざるを得ません。


特に独立したばかりの税理士の場合、

・実績がまだ十分に伝わっていない

・どこまで対応してくれるのか分からない

・相性が合うか不安

といった要素が重なり、「とりあえず比較してから決めたい」という心理が働きやすくなります。


その結果、

・価格の話が中心になる

・他事務所と比較されやすくなる

・決断を先延ばしにされる

といった状況に陥りやすくなります。


つまり、顧問契約を最初に売ろうとするほど、比較検討の土俵に乗りやすくなるという構造があるのです。


独立初期に相性の良いスポットテーマ例

そこで有効なのが、顧客の「今すぐ解決したい悩み」に対応するスポットサービスです。

スポットサービスは契約期間が限定されているため、顧客側の心理的ハードルが低く、依頼を受けやすいという特徴があります。


独立初期の税理士と相性が良いテーマとしては、

・資金調達や融資に関する相談

・会社設立や法人成りの手続き

・税務調査への対応・経理体制の立て直し

・一時的な業務負担の解消

など、「困っている状態が明確なテーマ」が挙げられます。


これらのテーマでは、

「この問題を解決してほしい」

という目的がはっきりしているため、価格よりも 解決できるかどうか が重視されやすくなります。


2段階で顧問契約を獲得する仕組み

スポットサービスを入口にする最大のメリットは、顧問契約を2段階で提案できることです。

最初の段階では、スポットサービスを通じて価値を実感してもらうことに集中します。


実際に仕事を進める中で、

・対応のスピード

・説明の分かりやすさ

・考え方や相性

といった要素が自然に伝わり、信頼関係が構築されていきます。


そのうえで、

「継続的にサポートした方が良い理由」

を説明して顧問契約を提案すると、押し売り感のない形になります。


この流れを作ることで、

・価格交渉が起きにくい

・長期契約につながりやすい

・独立初期でも安定した顧問先を作りやすい

という好循環が生まれます。



単価と利益を上げるためのハイエンドサービス戦略

独立後に「忙しいのに収入が伸びない」と感じる税理士の多くは、客数を増やす方向だけで考えてしまっている傾向があります。

しかし、独立税理士が年収と利益を安定して伸ばしていくためには、発想を少し変える必要があります。


ここでは、単価と利益を上げるためのハイエンドサービス戦略について整理します。


客数を増やさずに年収を上げる発想

顧問業務は、1社あたりにかかる手間が一定以上発生します。

そのため、客数を増やし続ける戦略には、

・業務量が増えすぎる

・対応品質が下がる

・疲弊してしまう

といった限界があります。


そこで重要なのが、「客数を増やさずに年収を上げる」 という発想です。

具体的には、既存顧問先1社あたりの単価と提供価値を高めていく考え方になります。


単価が上がれば、

・同じ客数でも売上が増える

・新規獲得に追われにくくなる

・時間と心に余裕が生まれる

といったメリットがあります。


独立税理士が長く安定して活動するためには、この視点を持つことが欠かせません。


独立税理士が検討しやすいハイエンド例

ハイエンドサービスと聞くと、難易度が高いイメージを持つ方もいますが、必ずしも特別な資格や大規模な体制が必要なわけではありません。

既存の顧問業務と相性の良いテーマを選ぶことがポイントです。


例えば、

・資金繰りや融資を含めた財務サポート

・事業計画の作成やモニタリング

・経理体制の構築や業務改善支援

・クラウド会計の導入や運用支援

・事業承継や相続対策の相談

などは、顧問先の関心も高く、付加価値を感じてもらいやすい分野です。


これらは、顧問業務の延長線上で提供できるため、無理なく単価アップを目指しやすいという特徴があります。


既存顧問先へのアップセルが有効な理由

ハイエンドサービスを展開する際に特に有効なのが、既存顧問先へのアップセルです。

新規顧客を獲得するよりも、すでに関係性のある顧問先に追加提案をする方が、営業の難易度は大きく下がります。


既存顧問先は、

・人柄や仕事の進め方を理解している

・信頼関係がすでにある

・課題や状況を把握しやすいという状態にあります。


そのため、

「今後こういった支援も必要になりそうです」

といった提案が自然に受け入れられやすく、価格の話になりにくいのが特徴です。


このように、アップセルを前提とした設計を行うことで、

・利益率が上がる

・収入が安定しやすくなる

・無理な集客をしなくて済む

といった好循環を作ることができます。



それでも税理士は「独立して食える」資格なのか

ここまで、「食えない」と言われる理由や、独立後に苦戦しやすいパターンを見てきました。

それらを踏まえたうえで、改めて考えたいのが 「それでも税理士は独立して食える資格なのか」 という点です。


結論から言えば、税理士という資格そのものが通用しなくなったわけではありません。重要なのは、資格の強さをどう活かすか という点にあります。


中小企業支援における税理士の立ち位置

中小企業支援の分野において、税理士は非常に恵まれた立ち位置にいます。

税務・会計という必須業務を通じて、経営者と 継続的に接点を持てる数少ない専門家 だからです。


経営者の多くは、

・お金の流れ

・税金

・資金繰り

といった重要な意思決定を行う際に、最初に税理士へ相談します。


このポジションにいることで、

・経営課題を早い段階で把握できる

・他士業や外部サービスをつなぐハブになれる

・長期的な信頼関係を築きやすい

といった強みを発揮できます。


この立ち位置自体は、今後も大きく揺らぐものではありません。


ニッチ戦略が機能しやすい理由

税理士が独立して食えているケースを見ると、多くが 何らかのニッチ戦略 を取っています。

これは、税理士業がニッチ戦略と非常に相性が良い構造だからです。


業種・規模・フェーズによって、

・悩みの内容

・必要な支援

・求められる説明の仕方

は大きく異なります。


特定の分野に絞ることで、

・事例が蓄積しやすい

・提案の精度が上がる

・「この分野ならこの税理士」という認識を持たれやすい

といった好循環が生まれます。


結果として、価格ではなく 専門性や安心感で選ばれる状態 を作りやすくなります。


今後も生き残りやすい税理士の特徴

今後も独立して安定した収入を得やすい税理士には、いくつか共通する特徴があります。それは、単に知識量が多いということではありません。


例えば、

・自分の強みや立ち位置を言語化できている

・顧客の課題を税務以外の視点でも捉えられる

・サービスを設計し、価値として伝えられる

といった姿勢を持っていることが挙げられます。


こうした税理士は、

「税務だけをこなす人」ではなく、

「経営者に伴走する存在」

として認識されやすく、結果として選ばれ続けます。


このように考えると、税理士は決して「独立して食えない資格」ではなく、戦略次第で長く食えていく可能性の高い資格だと言えるでしょう。



税理士として独立すべき人・慎重になるべき人

税理士の独立は、「資格があるかどうか」だけで判断できるものではありません。

同じスキルや経験を持っていても、独立後に順調に進む人と、苦労しやすい人に分かれるのが現実です。


ここでは、独立を前向きに検討しやすい税理士の特徴と、今は慎重になった方がよいケースについて整理します。


独立に向いている税理士の特徴

独立に向いている税理士には、いくつか共通する考え方や姿勢があります。

それは、特別な才能があるというよりも、独立後の環境を現実的に捉えられているかどうか です。


例えば、

・自分がどんな分野で価値を出せそうか考えている

・顧客に選ばれる理由を言葉で説明できる

・営業や集客も仕事の一部だと理解している

・収入が安定するまでの期間を想定できている

といった特徴が挙げられます。


また、

「完璧に準備が整ってから独立する」のではなく、

「独立後も試行錯誤しながら形を作っていく」

という姿勢を持てるかどうかも重要です。


こうした考え方ができる税理士は、環境の変化にも対応しやすく、独立後に軌道に乗りやすい傾向があります。


今は独立を急がない方がよいケース

一方で、独立を急がない方がよいケースもあります。

これは能力不足という意味ではなく、タイミングや準備の問題であることがほとんどです。


例えば、

・独立後の収入減に強い不安がある

・集客や営業を極力避けたいと考えている

・勤務先でまだ学べることが多い

・どんな顧客を支援したいかが定まっていない

といった状態の場合、無理に独立すると精神的な負担が大きくなりがちです。


特に、

「とにかく今の環境から抜けたい」

という理由だけで独立してしまうと、独立後に別の苦しさを感じることがあります。


このような場合は、

・得意分野をもう少し磨く

・独立後の戦略を整理する

・副業的に準備を進める

といった形で、独立までの助走期間を取る ことも有効な選択肢です。



まとめ|「食えないかどうか」は戦略次第で決まる


ここまで見てきた通り、「税理士は独立すると食えない」と言われる背景には、業界環境の変化や独立後の働き方に起因する理由があります。

一方で、それは税理士という資格そのものが通用しなくなった、という意味ではありません。


重要なのは、どのような戦略で独立するか という点です。


食えないと言われる理由の整理

税理士の独立が「食えない」と言われる主な理由は、次の点に集約できます。


・税理士登録数の増加により競争が激しくなっている

・価格比較されやすい業界構造になっている

・勤務時代とのギャップに苦しむケースがある

・顧問料の安売りや集客軽視に陥りやすい


これらは、個人の能力不足というよりも、戦略を持たずに独立してしまった結果として起こる問題です。

裏を返せば、これらの構造を理解したうえで対策を取れば、「食えない状態」を避けることは十分に可能です。


独立後に後悔しないための重要ポイント

独立後に後悔しないためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。


・独立後すぐに収入が安定しないことを理解しておく

・比較されない立ち位置を意識した戦略を考える

・顧問契約だけに頼らない入口を用意する

・単価と利益を意識したサービス設計を行う

・自分がどんな税理士として選ばれたいかを明確にする


これらを意識することで、

「忙しいのに儲からない」

「不安ばかりが増える」

といった状態を避けやすくなります。


税理士は、やり方次第で 長期的に安定した収入を築きやすい資格です。

「食えるかどうか」は運や時代だけで決まるものではなく、独立前後の考え方と行動の積み重ねで決まるという点を、ぜひ意識してみてください。


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