WixとWordPressはどれくらい使われている?公開統計から市場規模を比較
- ゼマーケ

- 25 分前
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WixとWordPressの『シェア』を調べると、サイト数、利用者数、CMS市場シェアなど、異なる数字が並びます。ところが、分母の違う数字をそのまま比べると、実態からずれた結論になりかねません。
この記事では、同じ調査元であるW3Techsの公開統計だけを基準に、WixとWordPressがWeb上でどれくらい使われているのかを比較します。見るのは、全Webサイトに占める比率、CMSを特定できたサイト内での市場シェア、そしてサイト順位帯別の利用比率です。
データは2026年8月26日時点です。W3Techsのレポートは毎日更新されるため、ここで示す数値は固定値ではなく、調査日のスナップショットとして読んでください。
結論|市場規模はWordPressがWixの約9.7倍
結論から言うと、W3Techsの同一調査ではWordPressの市場規模がWixを大きく上回ります。全Webサイトに占める比率はWordPressが40.7%、Wixが4.2%。CMS市場シェアはWordPressが58.9%、Wixが6.1%です。
比率で見ると、どちらの指標でもWordPressはWixのおよそ9.7倍です。一方で、Wixの全Web比率4.2%も小さな数字ではありません。『WordPressほどではない』ことと、『市場でほとんど使われていない』ことは同じではありません。
もう一つ重要なのは、シェアの大小だけで制作ツールの優劣は決まらないことです。この統計が直接示すのは採用の広がり方であり、表示速度、SEO成果、運用負荷、制作費、問い合わせ率まで証明するものではありません。
調査条件|何を数えたシェアなのか
調査元はWeb技術の利用状況を継続的に集計しているW3Techsです。同社は、意味のあるコンテンツや機能を持つ多数のWebサイトを『relevant web』として調査し、技術を検出しています。内容のない初期ページ、実質的な重複サイト、リダイレクトだけのドメインは除外されます。
また、個々のページではなくWebサイト単位で判定されます。サイト内のいずれかのページで技術が検出されれば、そのサイトで使われているとみなされます。サブドメインも原則として別サイトには数えられません。
したがって、ここでいうシェアは『登録アカウント数』『有料契約者数』『ページ数』『制作会社の案件数』ではありません。外部から確認できるWebサイトに、対象のCMS技術が使われている割合です。
WordPressはオープンソースCMSを中心とする広いエコシステムで、Wixはホスティングや編集・運用機能が統合されたサービスです。提供形態は異なりますが、この記事ではW3TechsがCMSとして検出したWebサイトの比率という共通の物差しに限定して比較します。
なお、これは世界全体を対象とする統計で、日本国内だけのシェアではありません。国内での知名度、制作会社の供給、業種別の採用傾向を知りたい場合は、別の調査が必要です。
全Web比率とCMS市場シェアを比較

全Webサイトに占める比率
全Webサイトに占める比率は、WordPressが40.7%、Wixが4.2%です。これは、調査対象となるWebサイト全体を100としたときに、それぞれの技術が検出された割合です。CMSを特定できないサイトも分母に含まれます。
差は36.5パーセントポイントです。ここは『36.5%多い』ではなく、『割合の差が36.5ポイントある』と表現するのが正確です。倍率で表すと、40.7 ÷ 4.2で約9.7倍になります。
WordPressが全Webの4割を超えるという数字は、ブログ専用ツールという範囲を超えて、企業サイト、メディア、EC、会員サイトなど多様な用途で採用されてきた広さを示します。
Wixの4.2%も、世界のWeb全体という大きな分母に対する比率です。WordPressとの差は大きい一方、CMS市場の主要サービスの一つとして無視できない規模を持つと評価できます。
CMS市場シェア
CMS市場シェアは、WordPressが58.9%、Wixが6.1%です。こちらは、W3TechsがCMSを特定できたWebサイトだけを分母にした割合です。全Web比率と数字が違うのは、分母が違うからです。
同日のW3Techsでは、調査対象サイトの30.9%について、監視対象のCMSを使っていない、またはCMSを特定できないとされています。言い換えると、既知のCMSが確認された範囲は概算で69.1%です。
この69.1%を分母に換算すると、WordPressは40.7 ÷ 69.1 ≒ 58.9%、Wixは4.2 ÷ 69.1 ≒ 6.1%になります。全Web比率とCMS市場シェアは矛盾した数字ではなく、同じ実態を別の分母で表したものです。
CMS市場シェアの差は52.8パーセントポイントで、倍率は58.9 ÷ 6.1 ≒ 9.7倍です。どちらの分母でも倍率がほぼ同じなのは、同じ調査時点の値を同じ母集団から換算しているためです。
数字を比較するときのチェック手順
市場シェアの比較では、数値そのものより先に、調査元、調査日、対象地域、分母、集計単位をそろえます。たとえば、Wixの登録ユーザー数とWordPressの公開サイト比率は、どちらも規模を表す数字に見えても比較対象にはなりません。
次に、割合の差と倍率を分けます。40.7%と4.2%の差は36.5パーセントポイント、倍率は約9.7倍です。『36.5%の差』とだけ書くと、相対差なのかポイント差なのかが曖昧になります。
相対差として計算すれば、WordPressはWixより約869%大きいことになります。しかし、日常的な比較ではこの表現は直感的でなく、誤読も生みやすいため、本記事ではポイント差と倍率を併記しています。
また、表示桁にも注意します。W3Techsの公開値は小数第1位です。元データには表示されない端数があり、丸め後の数字から計算した倍率も概算です。約9.7倍は比較の大きさを示す値であり、厳密なサイト件数比ではありません。
最後に、同じ日付の値を使います。W3Techsは日次更新のため、WordPressは今月、Wixは半年前という組み合わせでは、わずかな変化でも比較の整合性が崩れます。本記事ではすべて2026年8月26日の表示値に統一しています。
約9.7倍という数字が意味しないこと
市場規模が約9.7倍だからといって、WordPressの機能、速度、開発難易度、費用対効果がWixの9.7倍という意味ではありません。倍率がかかるのは、あくまで検出されたWebサイトの割合です。
同様に、Wixのシェアが約10分の1だから、選択リスクが10倍になるわけでもありません。市場規模は供給や事例の厚みを考える材料にはなりますが、個別案件の成功確率を直接表す指標ではありません。
上位サイトでは利用比率がどう変わるか
市場全体のシェアだけでは、どの程度のトラフィック規模のサイトで使われているかは分かりません。そこでW3Techsの順位帯別データを確認します。順位関連のレポートには、GoogleのChrome User Experience Report(CrUX)と、カスタマイズされたTrancoリストのデータが使われています。

CMSを特定できたサイトにおけるWordPressの利用比率は、全体58.9%、上位100万サイト49.3%、上位10万サイト51.4%、上位1万サイト52.0%、上位1,000サイト47.3%です。
Wixは、全体6.1%、上位100万サイト0.5%、上位10万サイト0.3%、上位1万サイト0.4%、上位1,000サイト0.0%と表示されています。
順位帯の分母もそろえて読む
順位帯別の値も、CMSを特定できたサイトが分母です。上位100万サイトの総数に対する割合と誤解すると、全Web比率やCMS市場シェアとの比較がずれます。
また、上位100万、上位10万、上位1万、上位1,000は、それぞれの上位グループにおける比率です。『上位100万から上位10万を除いた層』のような、重ならない区間別データではありません。
そのため、この表だけからWordPressやWixの実サイト件数を正確に逆算することはできません。各順位帯でCMSを特定できたサイト数と、丸め前の比率が必要になるためです。ここでは件数推計をせず、比率の分布だけを比較します。
読み取り1|WordPressは順位帯をまたいで採用されている
WordPressは全体の58.9%に対し、上位サイト群でも47.3〜52.0%です。全体値よりは低いものの、上位100万から上位1,000まで、すべての順位帯で高い比率を維持しています。
ここから比較的堅く言えるのは、WordPressが小規模サイトだけに偏らず、高トラフィック帯を含む広い範囲で使われていることです。市場規模だけでなく、採用されるサイト規模の幅も広いと読めます。
読み取り2|Wixは全体値と上位サイト値の開きが大きい
WixはCMS市場全体で6.1%ですが、上位100万サイトでは0.5%です。全体値に比べて上位サイト群での比率が低く、WordPressとは分布の形が異なります。
この分布からは、Wixの採用が高トラフィック上位層よりも、それ以外の多数のWebサイトに相対的に厚い可能性を推測できます。ただし、これは順位帯別の構成から得られる推論であり、W3Techsがサイトの事業規模や運営者属性を直接調査した結果ではありません。
そのため、『Wixは小規模事業者専用』『大規模サイトでは使えない』と断定する根拠にはなりません。順位はトラフィックの相対的な位置を示しますが、機能要件、ページ数、同時アクセス、売上規模、組織規模を直接表してはいないためです。
読み取り3|0.0%は『厳密にゼロ』とは限らない
Wixの上位1,000サイトは0.0%と表示されています。ただし、公開画面の数値は小数第1位に丸められています。したがって、表示上の0.0%だけから、該当サイトが厳密に1件もないと結論づけることはできません。
この数値から安全に言えるのは、『上位1,000サイトでは、Wixの比率が表示精度上きわめて小さい』という範囲です。統計では、丸められた表示値と実数ゼロを区別する必要があります。
公開統計から言える3つのこと
1.WordPressには圧倒的な採用母数がある
WordPressは全Webの40.7%、既知CMS市場の58.9%を占めています。採用母数が大きいほど、制作経験者、テーマやプラグイン、運用ノウハウ、移行事例、トラブル情報に触れられる機会も多くなりやすいと考えられます。
ただし、エコシステムの大きさは、個々のテーマやプラグインの品質を保証しません。選択肢が多いほど、構成管理、互換性確認、セキュリティ更新などの判断も必要になります。市場規模は強みですが、それ自体が運用の簡単さを意味するわけではありません。
2.Wixも世界規模では主要なCMSの一つ
WixはWordPressより大幅に小さいものの、全Webの4.2%、既知CMS市場の6.1%を占めます。『利用者が少なすぎて一般性がないサービス』と見るには大きなシェアです。
Wixは制作、ホスティング、保守、ビジネス機能を一つのサービス内で扱う設計です。採用シェアがWordPressより小さくても、運用を統合したい組織にとっては、比較候補になり得ます。
3.両者は採用の広がり方が違う
WordPressは市場全体でも上位サイト群でも高い比率を持ちます。Wixは市場全体に一定の規模がある一方、上位サイト群では比率が低くなります。違いは単純な人気順位だけでなく、採用されるサイト層の分布にも表れています。
この分布は、候補を絞る際の背景情報になります。ただし、案件要件への適合性を判定するには、必要な機能、更新体制、外部連携、権限設計、将来の拡張、予算などを別途確認する必要があります。
なぜ市場シェアを見るのか
市場シェアは、人気投票の順位を知るためだけの数字ではありません。採用母数が大きいサービスでは、一般に事例、解説、人材、周辺サービス、トラブル情報が蓄積されやすくなります。選定後に相談先を探すときの選択肢にも影響します。
ただし、大きな市場は構成のばらつきも生みます。WordPressという名称が同じでも、テーマ、プラグイン、ホスティング、更新体制によって実際の運用品質は大きく異なります。多数派であることは、個別構成が安全であることの証明ではありません。
統合型サービスでは、公開される拡張方法や移行方法がプラットフォームの設計に左右されます。その代わり、利用者側が管理する技術要素を減らせる場合があります。シェアと運用責任の範囲を一緒に見ると、数字を選定に結び付けやすくなります。
市場シェアだけでは言えないこと
シェアの比較記事で最も注意したいのは、利用比率を品質評価に置き換えないことです。今回のデータだけでは、次の項目は判断できません。
・どちらのサイトが速いか。表示速度はテーマ、アプリ、画像、実装、配信条件などに左右されます。
・どちらがSEOに強いか。CMS名だけでなく、情報設計、検索意図への適合、内部リンク、構造化データ、クロール制御、コンテンツ品質が影響します。
・どちらの成約率が高いか。導線、訴求、フォーム、商品、価格、ブランド、集客チャネルなど、CMS以外の要因が大きいためです。
・どちらが安いか。初期制作、月額費用、保守、障害対応、改修、担当者の工数まで含めると、総コストは運用条件で変わります。
・どちらが簡単か。編集者、制作者、開発者では『簡単』の意味が違います。作成時の自由度と公開後の運用負荷も分けて考える必要があります。
市場シェアが示すのは、採用実績と分布の大きさです。性能や成果を比較したい場合は、同じ要件、同じページ、同じ測定条件で別の検証を行う必要があります。
利用者数・契約数とは分けて考える
WixやWordPressについては、『世界で何億人が使っている』『何億サイトが存在する』といった数字も見かけます。しかし、これらをW3Techsのシェアと同じ表に並べると、定義の違いで比較が崩れます。
アカウント数には、非公開サイト、テストサイト、休止中のサイト、1人が複数作成したケースが含まれる可能性があります。WordPress側も、ソフトウェアのダウンロード数、ホスティング契約数、WordPress.comの利用者数では意味が異なります。
今回の目的は『公開されているWebサイトで、どちらの技術がどの程度検出されるか』を比べることです。そのため、絶対的な登録者数ではなく、同じ調査方法で得られたサイト比率に統一しています。
ツール選定にどうつなげるか
市場規模は、候補を評価する際の補助線になります。WordPressの大きなシェアは、幅広い実績や人材・拡張資産を重視する案件で安心材料になり得ます。特定の制作会社に依存せず、複数の移管先候補を持ちたい場合にも、採用母数の大きさは検討価値があります。
一方、Wixはシェアが小さいから除外する、という判断も早計です。ホスティング、更新、セキュリティ、各種機能を統合環境で管理したい場合は、サービス設計そのものが運用上の利点になることがあります。
実務では、まず必要なページと機能、更新担当者、公開後の保守範囲、外部連携、権限、予算、将来の変更可能性を整理します。その要件に両者を当てはめた後で、市場シェアを『供給量と実績の背景情報』として使うのが適切です。
逆に、最初にシェアだけで結論を決めると、過剰な構成や不要な保守を抱えたり、必要な運用の簡便さを逃したりします。多数派を選ぶことと、自社に合う仕組みを選ぶことは別の判断です。
データを見るときの5つの注意点
1.世界全体の統計であり、日本限定ではない
国別の制作文化、ホスティング環境、代理店網、言語、商習慣は反映されません。日本での発注先の見つけやすさを評価したい場合は、国内の制作実績や保守体制も確認してください。
2.技術検出には限界がある
外部から判別しにくい実装、複数技術の併用、ヘッドレス構成、特殊な配信方法では、実際の構成を完全に捉えられない可能性があります。統計は個別サイトの監査結果ではありません。
3.サブドメインやリダイレクトを単純加算しない
W3Techsはサブドメインを原則として別サイトに数えず、リダイレクトするだけのドメインも除外します。『ドメイン数』や『作成されたサイト総数』とは集計単位が違います。
4.順位帯は品質評価ではない
上位サイト比率はトラフィック順位帯における採用分布を示します。SEOの強さ、Core Web Vitals、安定性、拡張性、セキュリティ、売上を直接比較する指標ではありません。
5.数値は毎日変わる
W3Techsのレポートは日次更新です。0.1ポイント程度の変化だけで趨勢を判断せず、継続的な変化を見る場合は同じ指標を定期的に記録する必要があります。
この記事の更新方針
ゼマーケでは、この記事の数値を四半期ごとに確認します。更新時には、全Web比率、CMS市場シェア、上位100万・10万・1万・1,000サイトの比率を同じ調査日でそろえます。
W3Techs側の集計方法や順位データの出典が変更された場合は、数値だけでなく調査条件も更新します。過去値と比較するときは、定義変更の有無を確認したうえで扱います。
まとめ
2026年8月26日時点のW3Techsでは、WordPressは全Webの40.7%、CMS市場の58.9%。Wixは全Webの4.2%、CMS市場の6.1%です。同じ分母で比べると、WordPressの規模はWixの約9.7倍です。
上位サイト群でもWordPressは高い比率を維持する一方、Wixは市場全体の比率に比べて上位サイト群で低い値を示します。ただし、この差だけで性能、SEO、拡張性、成果の優劣を決めることはできません。
市場シェアは、採用実績と分布を知るための基礎資料です。ツール選定では、シェアを要件適合性の代わりにせず、自社の更新体制、必要機能、保守範囲、予算と組み合わせて判断してください。
参照した公開データ
W3Techs『Comparison of the usage statistics of WordPress vs. Wix for websites』
https://w3techs.com/technologies/comparison/cm-WordPress,cm-wix
W3Techs『Usage statistics and market shares of content management systems』
https://w3techs.com/technologies/overview/content_management
W3Techs『Technologies Overview(Methodology)』
https://w3techs.com/technologies
確認日:2026年8月26日



